2021 年 57 巻 1 号 p. 230-233
【目的】妊婦の家庭内感染のリスク把握,感染予防の実態を明らかにすること.
【方法】2020年11月,妊婦健診受診中の妊婦に,コロナウイルス感染症に関するアンケート調査を行った.
【結果】316例(回収率100%)のうち,家庭内感染が多いことは52%に知られていた.外出時マスク着用は緊急事態宣言中(4-5月),解除後(7月)いずれでも100%,手洗い・うがいは98%以上で施行されていたが,家庭内でマスクの着用は6%以下であった.妊婦本人・同居者の外出自粛は,4-5月が89%,82%,7月が72%,65%(p<0.01),家庭内の消毒は4-5月で52%,7月で43%であった(p=0.03).
【結論】外出時の十分な感染予防の励行に対し,家庭内での認知,励行は不十分であることが示唆され,家庭内感染予防,とくに家庭内でのマスク着用の啓発が重要である.