日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
在胎36週以上かつ出生体重2,500g以上で明らかな合併症のない新生児黄疸に対する光線療法後のリバウンドに関する検討
森田 篤志宮園 弥生永藤 元道竹内 秀輔梶川 大悟日高 大介金井 雄藤山 聡齋藤 誠高田 英俊
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2021 年 57 巻 1 号 p. 73-78

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抄録

 本邦において,新生児黄疸に対する光線療法後のリバウンドフォローアップについて検討した報告はない.2010年1月から2014年8月に,筑波大学附属病院新生児室で光線療法を施行された在胎36週以上かつ出生体重2, 500g以上で明らかな合併症のない新生児黄疸143例を対象とし,光線療法後のリバウンドフォローアップに関する探索的な検討を行った.再治療を要した症例は4例(2.8%)のみであった.再治療を要した4例中3例が在胎37週で出生しており,4例中3例が日齢2で光線療法開始となっていた.光線療法終了時点での値を基準とした血清総ビリルビン(TB)値の低下の有無に着目すると,光線療法終了後24時間または36時間時点での血清TB値が光線療法終了時の値を下回っていた場合において再治療を要した症例はなく,これらの条件を満たす児については,その後のフォローアップは不要である可能性が示唆された.

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© 2021 日本周産期・新生児医学会
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