日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
在胎36–38週における新生児呼吸障害例の検討 ~Lamellar body countを指標として~
松本 賢典関塚 智之山脇 芳生野 寿史田中 雅人楡井 淳小林 玲西島 浩二
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 58 巻 3 号 p. 492-497

詳細
抄録

 在胎36–38週での新生児呼吸状態について,羊水中のLamellar body count:LBCを指標として検討した.LBCの中央値は新生児呼吸障害症例群2.7×104/μL,対照群6.0×104/μLであり,呼吸障害群で有意に低値であった(p < 0.001).ROC解析より新生児呼吸障害症例を鑑別するLBCのcut off値は4.4×104/μL(曲線下面積0.833,95%信頼区間0.702–0.963)であり,感度91.7%,特異度69.6%,陽性的中率26.2%,陰性的中率94.1%であった.分娩様式別では,LBCの中央値は経腟群8.0×104/μL,帝王切開群5.3×104/μLであり,経腟群で有意に高値であった(p=0.036).LBCは簡便,迅速,客観的であり,新生児呼吸障害症例を検出する精度が高い,有用な検査方法である.

著者関連情報
© 2022 日本周産期・新生児医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top