日本周産期・新生児医学会雑誌
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症例報告
体外受精胚移植を受けた妊婦より出生した先天性結核の1例
田中 龍一野田 晴香岸上 靖幸小口 秀紀山本 ひかる
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2024 年 60 巻 3 号 p. 516-522

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抄録

 先天性結核と診断された極低出生体重児の1例を経験した.症例は在胎28週5日,出生体重1,356g,男児.体外受精胚移植(IVF-ET)で妊娠した中国人の母より子宮収縮抑制不能のため,緊急帝王切開で出生し,日齢1まで,軽度呼吸障害を認めた.以降は感染症状なく経過したが,日齢34に無呼吸発作が突然悪化し,日齢36の胃液塗抹検体からMycobacterium tuberculosisが検出された.出生後の水平感染は否定的で先天性結核と診断し,Isoniazid,Rifampicin,Ethambutol,Pyrazinamideの4剤で加療した.一方,母は分娩後原因不明の発熱を繰り返し,後に結核性腹膜炎と診断された.母が結核高慢延国出身者で不妊治療歴がある場合は,潜在感染が児の結核の原因となり得る.新生児集中治療室における結核感染への対応は,児の予後と共に重要である.

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