日本小児外科学会雑誌
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Opsoclonus-Polymyoclonia Syndrome を合併した神経芽腫の1例
大塚 恭寛小沢 弘侑飯野 正敏木村 正幸岡住 慎一村岡 実新井 仁秀大沼 直射高橋 英世
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1993 年 29 巻 1 号 p. 99-105

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抄録

Opsoclonus-polymyoclonia syndrome (OPS) を合併した神経芽腫の1例を経験した.症例は3歳女児.歩行時のふらつきを主訴に整形外科を受診し,腹部腫瘤を指摘され当科紹介.右上腹部に正中線を越える硬い腫瘤を触知し,水平眼振・手指振戦・小脳失調性歩行を認め,血中 LDH・NSE・Ferritin と尿中VMA・HVA の高値を認めた. 造影 CT・MRI・骨シンチ・開腹生検・骨髄穿刺吸引にて右腰部交感神経節原発の神経芽腫 (花冠銅線維型) IV B期と診断.術前化学療法の後, CUSAR^<[○!R]> を用いた腫瘍全摘出術と術中放射線照射を施行. N-myc は 1-copy であった.術後9ヵ月現在化学療法継続中で,再発・転移の徴候なく神経症状は消失している. OPS を合俳した神経芽腫は予後良好とされているが,その要因につき文献的考察を加えた.

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© 1993 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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