日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
左腰筋に発生した非外傷性骨化性筋炎 Pseudomalignant miositisossificans の一例
松田 由紀夫岩渕 眞大沢 義弘内山 昌則内藤 真一大谷 哲士金田 聡江村 巌
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 30 巻 2 号 p. 288-295

詳細
抄録

非外傷性骨化性筋炎 Pseudomalignant miositis ossificans は骨格外非腫瘍性骨化性病変であり,発症初期の腫瘍生検や微小な生検組織では悪性腫瘍と誤診されることもあり,注意を要する疾患である.左腰筋原発の1例を経験したので報告する.症例は7歳男児,腰痛を主訴に整形外科を受診. CT, MRI にて左腰筋腫大を認め,発症より2週目の腫瘍生検で横紋筋肉腫と診断され,当科に入院し pulse VAC 療法を施行.発症より2ヶ月後疼痛は消失し,腫瘍も縮小し始めた.腰筋内に5×3cm 大の境界明瞭,卵殻状の骨化巣が残った為,発症より5ヶ月後,大腿神経の一部を犠牲とし,腫瘍摘出術を施行した.摘出腫瘍の病理組織像で zone phenomena を認め,外傷の既往もないことより非外傷性骨化性筋炎と診断した.

著者関連情報
© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top