日本小児外科学会雑誌
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腫瘍破裂で発症した paraganglioma の1例
大植 孝治福澤 正洋岡田 正大杉 夕子多和 昭雄横田 順一朗平出 敦小林 庸次
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1994 年 30 巻 4 号 p. 738-742

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抄録

症例は12歳男児. 腹部に鈍的外傷を受けた直後に後腹膜に出血し, 緊急手術が施行された. 大動脈左側前面に後腹膜腫瘍が存在し, 腫瘍被膜の破裂を認めたため腫瘍全摘術を施行した. 摘出腫瘍は8 × 6 cm, 11Og. 実質性で被膜を有し, 割面は白色調で分葉を認めた. 病理組織所見では主細胞 chief cell が毛細血管に富む隔壁に囲まれて胞巣状に配列し, 胞巣の周囲に紡錘型の sustentacular cell を小数伴ういわゆる Zellballen の像を呈し, 典型的な paragaglioma の所見であった. 免疫組織染色では chief cell が NSE, chromogranin, neurofilament 陽性, sustentacular cell が S-100 protein 陽性であった. 本症は, 病理組織の形態から良性, 悪性の判定が難しいとされる. 自験例の場合, 核分裂像が散見されたこと, 後腹膜原発の場合に悪性の頻度が高いことなどより悪性の可能性が否定できず, また, 腫瘍破裂による播種の危険性があるため, 術後化学療法を施行し, 経過観察中である.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
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