1994 年 30 巻 4 号 p. 767-771
症例は肺動脈狭窄, common atrioventricular valve (CAVV) 及び両側上大静脈合併の右室型単心室症の3歳児例で, Blalock-Taussig (BT)シャント術を生後8か月に行ったが, その後次第に CAVV 逆流が増強し, 高度の心不全を呈するに至った. 術前 CAVV 逆流は4/4度であった. 手術は, BT シャントの結紮, DeVega 法による CAVV の弁輪縫縮術と弁形成, 両側上大静脈をそれぞれ左右肺動脈に端側に吻合 (bidirectional cavopulmonary shunt) した. 術後, CAVV の逆流は2/4度に滅少し, 心不全は著しく改善した.