日本小児外科学会雑誌
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小児外科手術の合併症として発生した卵管水腫2例の経験
大浜 和憲林 宏行浅井 徹関戸 伸明小林 孝一郎道後 正勝田中 松平野澤 寛朝本 明弘矢吹 朗彦
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1994 年 30 巻 4 号 p. 787-792

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抄録

私たちは小児外科手術の合併症として生じた卵管水腫2例を経験したので報告する. 症例1は11歳で, 3歳時左そけいヘルニア根治術を受けていた. 6ヵ月前から怒責時に左そけい部膨隆あり受診した. 腹部超音波検査とCT検査で左そけい部から骨盤内に連続する多嚢胞性病変が描出され卵管卵巣摘除術を行った. ヘルニア根治術時の卵管結紮が原因と考えられた. 症例2は12歳で, 新生児期に胎便性腹膜炎の手術を受けていた. 2日前から下腹部痛あり腹部腫瘤を指摘され受診した. 画像検査で骨盤内に充実性腫瘤と多嚢胞性病変が描出された. 開腹すると右卵管は多房性の嚢胞で置換され卵巣と一体となり捻転しており卵管卵巣摘除術を行った. 胎便性腹膜炎の波及が原因と考えられた. 卵管水腫は女児そけいヘルニア手術の合併症として銘記すべきで, ヘルニア手術や腹膜炎の既往があって骨盤内に嚢胞性病変があれば, 卵管水腫の存在も念頭に置くべきである.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
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