日本小児外科学会雑誌
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腹腔鏡下肥厚性幽門狭窄症手術 : われわれの工夫
藤本 隆夫宮野 武世川 修福永 研
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1994 年 30 巻 6 号 p. 1064-1068

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抄録

われわれは肥厚性幽門狭窄症患児に対し腹腔鏡下幽門筋切開術を現在標準術式として用いている.本法を短時間にかつ安全に行うために独自の器具を開発,現在までに7例に施行し良好な結果を得ており,最近では約40分で全過程を終了出来るようになった.角膜切開用の棒状メスの応用および確実な把持紺子,筋層展開用のベンソン型紺子の開発により,安全な幽門筋切開術が可能となった.器具の開発のみならず,手技上でも筋層切開後に細径内視鏡Olympus N-30 (直径5mm) を用いて胃内腔より切関部の観察, Air leakの有無の確認を行うことにより,手術が安全, 確実となった.この結果,本術式は開腹 Ramstedt 術と遜色なく,手術創は極めて小さく有用な方法であると考えている.本論文ではわれわれの器具を紹介するとともにその術式の要点について記載する.

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