日本小児外科学会雑誌
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出生前および出生後にかけて病像が変化した先天性嚢胞性腺維様肺奇形 (CCAM) の1例
藤井 喜充水田 祥代田口 智章山中 清一郎佐藤 昌司小柳 孝司
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1994 年 30 巻 7 号 p. 1284-1290

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抄録

症例は0生日の男児,出生前に超音波検査で左肺の多発生小嚢胞性病変を指摘され CCAM が疑われた. 出生時に臨床症状はなかったが,胸写上右中肺野および左中下肺野に気腫性病変像を認めた. 7生日には右肺の気腫性病変像は消失し,左肺の陰影は下肺野に限局する透亮像となった. 3ヵ月間経過をみたが,左下肺野の陰影は変化なく,117生日に左肺下葉切除術を施行した. 病理組織所見は CCAM で Stocker 分類の2型であった. 出生前出生後の形態についての報告は自験例を含めて17例あり,このうち7例が形態変化している. 無症状な場合病変部が消失したり縮小した力する可能性があるので,CCAM を含めた肺嚢胞性疾患および気腫性疾患は病像が固定してから手術すべきであると考えられた.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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