日本小児外科学会雑誌
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MRSA による新生児壊死性筋膜炎 : 本邦小児報告例の検討
餅田 良顯宇野 武治原田 幸雄伊熊 正光
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キーワード: 壊死性筋膜炎, MRSA, 新生児
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1995 年 31 巻 4 号 p. 655-663

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抄録

壊死性筋膜炎は皮下筋膜を病変の場とし,急速に皮下組織の壊死と続発性の皮膚壊死が発症,拡大する重篤な細菌感染症である. 今回, MRSA 感染による新生児壊死性筋膜炎の1例を経験したので報告する. 症例は日齢15日の女児で,日齢10日に腰仙部の糜爛にて発症し,日齢14日に DIC をきたし近医入院. 翌日,本院転院. 壊死皮膚の周囲広範囲に皮下組織の壊死が広がっていた. DIC に対する治療を開始するとともに,壊死皮膚のデブリードマンと創の開放を行った. 膿の培養にて MRSA が認められたため, VCM と ST 合剤の投与を行い,入院14日後には陰性となった. 創は瘢痕化したが,治癒し,入院63日後に退院した. 小児の本邦報告例は少なく,自験例も含めて20例であった. 新生児例は12例であったが,そのうち11例は基礎疾患なく,誘因不明で,すべて腰背部に発生していた.

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