1歳5ヶ月時に左下葉切除術を施行した気管支閉鎖症の一例を報告し気管支閉鎖症と他の嚢胞性肺疾患との関係について若干の考察を加えた. 患児は繰り返す肺炎の診断にて入院加療を受けていたが, いずれの場合も左中肺野に異常陰影を認めたため器質的疾患を疑い上部消化管造影, 気管支造影, 血管造影, 気管支鏡, 胸部 CT 検査を施行した. その結果左上-下葉 (B_6) 気管支閉鎖症の診断のもとに左下葉切除術を行った. 気管支閉鎖症は嚢胞性肺疾患の一つとして比較的稀な疾患とされている. しかし肺嚢胞症, CCAM, 肺葉性気腫などの他の嚢胞性肺疾患でもその成因に何らかのかたちで気管支閉鎖が関与している可能性が高い. 嚢脳性肺疾患では術前の気道系, 血管系の十分な検索のみならず切除肺についても同様の検索が必要と思われる.