日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
両側性腺消失をともなった Klinefelter 症候群の1例
安藤 邦澤宮野 武関 聖史有阪 治
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 32 巻 2 号 p. 315-317

詳細
抄録

1歳6ヶ月児の停留精巣の手術時,両側性腺が存在せず.精巣消失症候群と考えられた症例が,その後の染色体検査により Klinefelter 症候群であると確定診断された一例を経験した. Klinefelter 症候群は小児期には特徴的な所見を示しにくく,多くは思春期以降に発見され,特有の精巣病理所見を呈するが,性腺の消失をともなう例は極めて稀と考えられる.本症例における性腺消失の機序については,必ずしも明確ではないが,X染色体の過剰やそれに基づく内分泌異常のみでは説明し難く,何らかの二次的要因の合併か推察された.

著者関連情報
© 1996 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top