日本小児外科学会雑誌
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管状型全結腸重複症の1例
中安 清本郷 碩尾中 祥子永島 浩黒田 豊倉田 悟亀井 敏昭
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1996 年 32 巻 2 号 p. 324-330

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抄録

2回の手術により管状型全結腸重複症であることを確認した稀な一例を経験した.症例は女児.2生日より肛門および膣前庭部の両方から排便あり.2歳時に初診,初回手術施行.経会陰的に膣瘻切除,重複大腸の直腸部を粘膜抜去した.術後精査の予定であったが受診なく,13歳時に急性腹症(絞扼性イレウス)として2回目の手術を行った.結腸は骨盤内から横行結腸の中央やや左側まで対梁間膜側にもう一本密着並列して認められ高度に拡張しており S状結腸の高さで完全な盲端に終わっていた.左半結腸切除施行したが,口側結腸も内腔は中隔により2本に分離されており,付加切除した虫垂もまた中隔により2つに分離されていた.ロ側横行結腸の中隔を一部切除し端端吻合を行った.術後注腸透視,大腸内視鏡にて盲腸まで完全に分離されているのが確認された. 14歳時より残存結腸に潰瘍性大腸炎を併発し加療中ながら18歳の現在,元気に学校生活をおくっている.

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© 1996 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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