日本小児外科学会雑誌
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Shimada 分類にて原発巣とリンパ節転移巣間で異なる予後判定像を示した神経芽腫の 1 例
秦 信輔八木 誠保木 昌徳田中 丈夫八反田 洋一
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キーワード: 神経芽腫, Shimada分類
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1998 年 34 巻 2 号 p. 327-330

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抄録

神経芽腫の予後因子としてのShimada分類, Ha-ras発現において原発腫瘍とリンパ節転移部間で異なる予後判定像を示す症例を経験した.症例はマススクリーニングにて見つかった左副腎原発stage IIの症例でShimada分類では原発巣はfavorable histologyであったが, リンパ節転移巣はunfavorable histologyであった.Ha-ras発現も原発巣は高発現部(予後良好因子)に低発現部(予後不良因子)が混在し, 転移巣は低発現でShimada分類と一致した.本症例のごとく同一症例内で原発巣とリンパ節転移巣との間で解離を示す症例の報告はなく, 解離の原因及び臨床的意義において興味ある症例と思われた.

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© 1998 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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