日本小児外科学会雑誌
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小児の臍ヘルニア嵌頓の手術経験
大塩 猛人日野 昌雄桐野 有成松村 長生
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キーワード: 小児, 臍ヘルニア, 嵌頓, 手術
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1998 年 34 巻 2 号 p. 331-334

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抄録

極めてまれな小児の臍ヘルニア嵌頓を経験したので報告する.症例は1歳7カ月の男児で生後3カ月頃より臍の膨隆があり臍ヘルニアと診断されたが, 容易に整復できるため放置していた.1996年10月30日, 臍の膨隆を認め整復できず, 疼痛を伴い経口摂取不能となった.徒手整復不能であり当院へ紹介された.直径3cm, 高さ2.5cmの臍ヘルニアを認め, 再度, 徒手整復を試みたが不能であった.臍ヘルニア嵌頓と診断して発症10時間後より手術を開始した.脱出した消化管は小腸であり漿膜下出血を認めた.ヘルニア門は直径約15mmであった.その後に生まれた弟に生後2週頃より臍ヘルニアが出現し, 1カ月18日目に当院を受診した.週1回毎交換の絆創膏固定法を施行し, 6週目に治癒した.

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© 1998 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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