日本小児外科学会雑誌
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腸管上皮増殖促進因子グリセンチンの効果 : in vitro の検討
千葉 正博真田 裕角田 ゆう子吉澤 康男根本 洋岡松 孝男
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1998 年 34 巻 7 号 p. 1155-1161

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抄録

目的 : 腸管粘膜の増殖過程には上皮増殖促進因子(HGF), インスリン様増殖促進因子(IGF-1), 腸管グルカゴンの主因子であるグリセンチンなどのホルモン因子が関与している.本研究では, 遺伝子工学的に精製されたヒトグリセンチンを用い, その腸管上皮増殖促進効果をinvitroで検討した.方法 : ヒト胎児小腸上皮培養細胞(INT-407)を以下の4群に分けて, それぞれに増殖因子を添加し, その増殖促進効果を比較検討した.すなわち, 1群 : 増殖因子無添加(control), 2群 : グリセンチン(100 pg/ml, 1 ng/ml, 10 ng/ml, 100 ng/ml, 1 μg/ml, 10 μg/ml)添加, 3群 : EGF(1 ng/ml)添加, 4群 : FCS(10%)添加の4群に分けた.増殖促進効果はMTT法による生細胞数の計測及び, ELISA BrdU法によるDNA合成量の計測の両者で検討した.結果 : MTT法, ELISA BrdU法ともにグリセンチン1 μg/ml添加時に最大の増殖効果を示した.また, その効果はEGFによるものと同程度であった.以上の結果より, グリセンチンは単独でヒト胎児小腸上皮細胞に増殖効果を発現することが示唆された.

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© 1998 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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