日本小児外科学会雑誌
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11 歳女児に発生した腹膜偽粘液腫の 1 例
奥山 宏臣中井 弘藤井 恒夫木岡 寛雅
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1999 年 35 巻 5 号 p. 766-769

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抄録

11歳女児に発生した卵巣原発の腹膜偽粘液腫のまれな1例を経験したので報告する.症例は11歳女児.徐々に進行する腹満を主訴に当科紹介された.血液中の腫瘍マーカーはCEA : 132.9ng/ml(正常値5.2未満)と上昇していた.開腹時の所見では、多量の黄色ゼリー状腹水と成人頭大の左卵巣腫瘍を認めた.腫瘍を摘出し, 腹水を可及的に除去し, 温生食にて腹腔内を洗浄の後, シスプラチンを腹腔内に散布した.組織学的検索では卵巣原発のMucinous Cystadenomaで腹膜, 大網への広範な播種性転移を認めた.術後4週ごとにシスプラチン(60-80mg/m^2)の腹腔内投与を施行し, 2カ月でCEA : 1.3ng/mlと正常化した.術後6カ月で無症状であるが, 腹腔洗浄液の細胞診にて依然粘液産生を伴う異形細胞が見られるため, 5-FUとシスプラチンによる腹腔内化学療法を継続中である.

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© 1999 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
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