日本小児外科学会雑誌
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鼠径ヘルニア手術時に発見された精巣女性化症候群の 2 乳児例 : 精巣摘除は早期に行うべきか?
内藤 真一新田 幸壽荒井 洋志宮川 公子
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2001 年 37 巻 4 号 p. 740-744

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抄録

精巣女性化症候群はアンドロゲンレセプターの障害による男性化の異常と考えられており, 成人後に不妊症として診断がつく場合のほかに, 小児期に鼠径へルニア手術時に診断がつく場合がある.今回2例を経験し, 文献的考察を加えて報告する.本症候群は長期的にみて, 内科医, 内分泌科医, などが経過観察する疾患であり, 外科医は精巣摘除など, その治療の一部にかかわるに過ぎないことを充分に認識しておく必要があり, 不用意に精巣摘除を急がないほうが良いと思われた.また, 精巣を残しておく場合には将来の腫瘍化が恐れられるわけだが, 精巣を停留精巣の形で鼠径管内に残しておくことは観察が容易で早期に発見できる可能性があり, 理にかなった方法と思われた.

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