日本小児外科学会雑誌
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Richter ヘルニアの 1 新生児例
吉岡 秀人青山 興司岩村 喜信田淵 陽子六車 崇後藤 隆文秋山 卓士
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2001 年 37 巻 7 号 p. 1100-1103

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抄録

Richterヘルニアは腸壁の一部が嵌頓を起こす稀な病態で, 現在までに多くの報告がなされている.そのほとんどは成人例であり, しかも高齢者の大腿ヘルニアに合併して起こることが多く, 乳児特に新生児例のRichterヘルニアの報告例は少ない.我々の調べえた範囲では乳児例は5例, 新生児例はShanbhogueが報告した3例のみである.我々は日齢28の鼠径部腫瘤, 血便を主訴とするRichterヘルニアの新生児例を経験した.一般にRichterヘルニアでは腸閉塞症状の所見が乏しいために発見が遅れることが多い.乳児特に新生児例の場合, 腸閉塞症状の所見が乏しいために発見が遅れることにより, 腸管の壊死穿孔を起こしやすい.それゆえ新生児で原因不明の血便や嘔吐, 不機嫌に外鼠径ヘルニアを認めればこの疾患も鑑別に加えることが重要である.

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