日本小児外科学会雑誌
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電子カルテシステムと小児外科(<特集>日本の小児外科の将来への提言)
平田 彰業倉科 彰夫山田 貴子米川 幸秀
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2002 年 38 巻 7 号 p. 1032-1039

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抄録

【目的】電子カルテを包含する統合情報システムを稼動させている総合病院の医師の立場から, 電子カルテシステムの現状と開発・導入時の問題点を検討した.あわせて, 地方在住の小児外科医として日本小児外科学会への提言を行った.【方法】当院は, 1999年に新築移転するに際して, 「医療の質の向上」, 「患者サービスの向上」, 「病院管理運営の効率化」を主目的に, ネットワークを前提として開発・実現された「統合情報システム」, 通称IIMS(Integrated Intelligent Management System)を稼動させている.既成のソフトの導入ではなく, 病院の業務を徹底的に見直し, 独自に開発したものである.稼動の現状と開発時の留意点を検討した.【結果・結論】「電子カルテシステム」の目的は医療の標準化, 質の向上である.現在, さまざまな「電子カルテ」が乱立しており, 目的実現のための障害になっている.少なくとも小児外科領域の共通する部分だけでも標準化しておくことが望ましいと考えられた.また, 日本小児外科学会には情報技術の活用を提言した.

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© 2002 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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