日本小児外科学会雑誌
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小児特発性化膿性肝膿瘍の 1 例
岩崎 稔上本 伸二小川 絵里横井 暁子田中 紘一
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2002 年 38 巻 7 号 p. 1074-1079

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抄録

小児の特発性化膿性肝膿瘍は稀な疾患である.今回我々は術前診断で, 肝悪性腫瘍を示唆し肝切除を行ったが, 病理所見から特発性化膿性肝膿瘍であった症例を経験したので報告する.症例は1歳のDown症候群の女児で, 基礎疾患はなく, 風邪症状によく似た熱発を時々発症していた.腹部膨満で気付かれ, 貧血の進行, 腹部超音波検査, 腹部CTで肝芽腫の破裂が疑われたが, AFPが正常であることから, 他の肝腫瘍が考えられた.白血球の増多, CRPの上昇から炎症性疾患をも考慮した上で, 悪性腫瘍に重点をおいて手術を行った.開腹所見にて, 肝臓の腫瘍性病変が, 横行結腸および腹壁へ直接浸潤していたため, 肝右葉切除術, 横行結腸および腹壁合併切除術を施行した.病理学的診断では, pseudotumorに近い像を呈し, 肝膿瘍においても肝切除術による治療が適切であったと考えられた.

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