日本小児外科学会雑誌
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感染性頸部嚢胞として発症した梨状窩瘻の 1 新生児例
堀 哲夫金子 道夫池袋 賢一雨海 照祥瓜田 泰久五藤 周渡部 誠一
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2002 年 38 巻 7 号 p. 1080-1085

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抄録

症例は在胎40週6日, 出生体重3, 610gの男児, 生下時より左頸部に腫瘤を認め, 徐々に増大し哺乳障害と呼吸困難が出現したため生後5日目に近医に入院となった.その後腫瘤が増大し炎症反応と呼吸困難が増悪したため生後7日目に当科に紹介された.左頸部腫瘤は単純X線写真で球状の透亮像, CTでは鏡面形成を伴う嚢腫であり, 左梨状窩瘻を伴う頸部嚢胞と診断し, 穿刺排膿を行って症状を消退させ, 経管栄養を行い局所の炎症の消退を待って生後35日目に嚢胞瘻管摘出術を施行した.瘻管は嚢腫上極付近の背側に認められ, 甲状軟骨下方外側で下咽頭収縮筋を貫いていた.嚢腫内腔の上皮は殆ど剥離していたが嚢腫壁の一部には副甲状腺組織が認められた.梨状窩瘻を伴う新生児頸部嚢胞の報告例は少ないが, 本症は呼吸障害や哺乳障害を伴う新生児頸部腫瘤の鑑別診断として重要である.これまで文献では28例が報告されている.男児に多く(18/26), ほとんどすべて(26/28)が左側にあった.新生児例では乳幼児以降の症例に比して呼吸器症状が出やすい.

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