抄録
末期癌患者の疼痛コントロールに携帯Patient Controlled Analgesia (PCA)ポンプ(Arrow/Microject^<[○!R]>)を使用し,患者のQOLの向上が得られた.1例は24歳の女性であり,通常の使用法で効果が確認された.もう1例は5歳の男児,患児自身で鎮痛剤投与量を調節する従来の使用法ではなく,ポンプの携帯性を利用し,携帯型塩酸モルヒネ投与システムとして使用した.このことにより外出や外泊が可能となった.従来のPCAポンプは高価なうえに重量もあり,操作方法も複雑であった.このPCAポンプは安価で携帯性にすぐれ,院外でも安全に使用出来る.今後も末期癌患者の疼痛コントロールに対してこのPCAポンプを積極的に使用していきたいと考えている.