日本小児外科学会雑誌
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胸腔鏡下根治術を施行したC型食道閉鎖症の1例
奥山 宏臣窪田 昭男川原 央好大植 孝治田附 裕子井原 欣幸野瀬 聡子
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2005 年 41 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

胸腔鏡下根治術を施行したC型食道閉鎖症の1例を経験したので報告する.症例は41週, 2, 814 gで出生した男児.小顎症, 口蓋裂, 耳介低形成, 外耳道閉鎖を伴いTreacher-Collins症候群と診断した.生後1日に気管切開, 胃瘻造設に引き続き食道閉鎖症根治術を施行した.腹臥位に近い左側臥位として腋窩に5 mm 1本, 背部に3 mm 3本のトロッカーを挿入して3∿4mmHgの圧で人工気胸とした.縦隔胸膜を切開して奇静脈を切離の後, 気管食道瘻を5 mmチタンクリップで閉鎖した.上下食道のギャップは約2 cm.上部食道を十分に剥離の後, 食道食道吻合を全層一層結節縫合にて行った.術後経過は良好で約2カ月で退院となった.視野が拡大される胸腔鏡下手術は, 特に上部食道の剥離および吻合操作に有用であった.食道閉鎖症に対する胸腔鏡下根治術は新生児期においても安全で有用な術式と考えられた.

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