日本小児外科学会雑誌
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クラリーノ症候群における染色体異常
岡本 晋弥福本 泰規増山 宏明小沼 邦男河野 美幸北 美紀子尾崎 守伊川 廣道
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2005 年 41 巻 5 号 p. 734-738

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抄録

【目的】クラリーノ症候群の染色体異常を検索しクラリーノ症候群との関連について検討した.【方法】我々が経験した9例のクラリーノ症候群を対象とした.女8例, 男1例で1例の叔母に鎖肛及び神経因性膀胱の家族歴がある.Gバンド法で染色体異常を検索した.今回存在した染色体異常は7番遺伝子長腕末端のみであったので, 染色体異常のあった症例に対してはさらに7番染色体長腕のテロメアに対する特異的なプローベを用いたfluorescent in situ hybridization (FISH)を施行した.【結果】9例中, 家族歴のないクラリーノ症候群2例に7番染色体長腕末端欠失を認めた.7番染色体長腕末端欠失の2例はクラリーノ症候群のほかに精神運動発達遅滞, 頭蓋骨早期癒合症, 特徴的な顔貌と泌尿器系奇形を合併した.【結論】クラリーノ症候群に合併した染色体異常は7番染色体長腕部末端の欠失で, 7q36にあり1998年Rossらによりクラリーノ症候群の責任遺伝子の1つとして同定されたHLXB9遺伝子の欠失が発症に関係していると考えられた.染色体異常のあるクラリーノ症候群症例は精神運動発達遅滞, 頭蓋骨早期癒合症, 特徴的な顔貌を合併し7番染色体長腕部末端欠失症候群と考えることもできた.

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