日本小児外科学会雑誌
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膣前庭粘膜圧伸法(Frank法)が有用であった下部膣欠損症の治療 : 急性腹症で発症した2症例
浮山 越史伊藤 泰雄韮澤 融司渡辺 佳子吉田 史子
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2005 年 41 巻 6 号 p. 783-788

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抄録

急性腹症で発症した, 機能性子宮を有する膣欠損症の2症例(15歳, 14歳)を経験した.2症例とも, まれな下部膣欠損症であり, 子宮膣留血腫を認めた.膣前庭部からのドレナージは2症例とも不成功であったため, 再手術にて腹腔側から子宮膣留血腫のドレナージ術を要した.その後, 膣前庭粘膜圧伸法(Frank法)にて膣前庭部の粘膜を4.5cm, 3.7cmの長さに伸展, 延長して, それぞれ9カ月, 5カ月後に膣形成術を行った.術後はプロテーゼ留置による吻合部狭窄の予防が行われた.Frank法は根治術までに時間と本人, 家族の労力を要するが, 自然に近い状態の膣が形成される優れた治療法であり, 本症に対する第一選択と考える.

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