我々は遅発性先天性横隔膜ヘルニアに対して腹腔鏡下ヘルニア根治術を行った症例を2例経験したので報告する.症例1は2歳の女児で予防接種の際に聴診にて異常を指摘され, 当科に紹介された.症例2は4歳の女児で咳, 発熱のため近医を受診した際, 胸部聴診にて異常を指摘され当科に紹介された.2症例とも先天性横隔膜ヘルニアの診断で腹腔鏡下横隔膜ヘルニア根治術を施行した.一例は横隔膜の全欠損型であったが, 一期的に縫合閉鎖できた.遅発性先天性横隔膜ヘルニアの鏡視下手術に関しては全欠損型における手術法など技術的な問題点も多いが, 体位やポート挿入法や位置を工夫することにより縫合操作を行うことができた.