日本小児外科学会雑誌
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胸腔鏡下膿瘍掻爬ドレナージ術が奏効した9カ月児膿胸の1例
孝橋 賢一中尾 真有馬 透
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2006 年 42 巻 2 号 p. 243-247

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抄録

症例は9カ月男児.右膿胸と診断され胸腔ドレナージを施行されていたが,ドレナージ不良となり当院へ紹介となった.翌日,分肺換気下に胸腔鏡下膿瘍掻爬ドレナージ術を施行した.経過は順調で,術後39日目のCTでは右肺の拡張は良好であった.成人の急性膿胸に対する本術式はもはや標準術式となっており,低侵襲が大きな特徴である.しかし,小児例は報告が少なく,本邦では,調べえた限り本症例が最年少であった.小児は肋間が狭く,また,分肺換気が困難なため,胸腔鏡下手術は敬遠されがちであるが,今回我々はフォガティーカテーテルによる分肺換気下に,5.5mmポートを2箇所挿入することで,充分な掻爬を行いえた.膿胸治療において,小児の場合は成人と比較して進行が早いため,迅速な治療が必要となる.また,保存的治療では入院の長期化や慢性への移行が懸念されるため,胸腔ドレナージ不良の時点で,積極的に胸腔鏡下手術を施行すべきであると思われた.

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