2006 年 42 巻 2 号 p. 252-257
症例は8カ月の男児.腸回転異常症に対するLadd手術後に下痢,嘔吐を繰り返し治療目的に当科紹介入院となった.中心静脈栄養による栄養管理中に真菌血症をきたしたため抗真菌剤を投与したところ,臨床症状はすぐに軽快したが血中(1→3)-β-D-glucan値のみが高値を推移し,またこの値はヒト血清アルブミンの投与によりそこからさらに上昇したことが示唆された.血中(1→3)-β-D-glucan値が高値を示しているまま臨床症状その他を考慮し抗真菌剤の投与を中止したが,その後感染兆候の再燃は認めなかった.