2009 年 45 巻 1 号 p. 48-52
Ewing肉腫ファミリー腫瘍の3例を経験した.原発巣は15歳男児骨盤,7歳女児後腹膜,6歳女児皮下であった.外科的切除に加えて,原発巣・腫瘍のサイズ・年齢・初期治療に対する反応性などを考慮し,各々の病態に応じた化学療法のプロトコールを選択した.1例を他病死で失ったが,他の2例は無病生存中である.Ewing肉腫ファミリー腫瘍は悪性度の高い腫瘍であり,腫瘍サイズ・容積,原発部位(骨盤腔内・傍脊髄),年齢(10歳以上),初期治療抵抗例,遠隔転移例,神経系への分化が強いもの,などが予後不良因子と考えられている.本邦では良好な成績が期待できる治療プロトコールは確立されておらず,全国的なグループスタディの立ち上げが必要である.