日本小児外科学会雑誌
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出生前から経過を観察し得た胆道閉鎖症の1例
河崎 正裕仲田 惣一高尾 智也
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キーワード: 胆道閉鎖症, 出生前診断
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2009 年 45 巻 4 号 p. 729-732

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抄録

在胎17週の超音波検査において肝門部嚢胞(直径15mm)で見つかった胆道閉鎖症の1例を報告した.嚢胞は頭側管腔に連続し,胆嚢は正常に存在したため胆道拡張症を疑った.在胎38週6日,体重2,958gで出生するまで嚢胞に形態的変化はなかった.生後直接ビリルビンが徐々に増加し,肝管,嚢胞は3週間の間に縮小した.そのため生後28日目胆道閉鎖症を疑い手術を施行した.病型III dであった.葛西手術を施行し術後は順調に経過した.本例におけるこの胆道の形態的変化は胆道閉鎖症の病因を考える上で示唆に富む所見と考えた.

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