日本小児外科学会雑誌
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ダブルバルーン法を用いた小腸内視鏡にてポリープ切除を施行したPeutz-Jeghers症候群の7歳女児の1例
中竹 利知濱田 吉則高田 晃平荒木 吉朗矢内 洋次三木 博和岩井 愛子權 雅憲
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2012 年 48 巻 4 号 p. 738-742

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抄録

症例は7歳の女児.家族歴は父がPeutz-Jeghers症候群.無熱性痙攣後も嘔吐が持続し腹部超音波検査で,ポリープによる腸重積症と診断され,ポリープ切除の目的で当科に紹介された.ダブルバルーン法による小腸内視鏡(Double Balloon Enteroscopy; DBE)下に十二指腸から空腸のポリープ4個を切除した.しかし3cm径の空腸ポリープ切除時に穿孔を認め,臍部から穿孔部の縫合閉鎖を施行した.退院後も1年半の経過中にDBEにて十二指腸,空腸,結腸のポリープを計5個切除し経過観察中である.Peutz-Jeghers症候群では,小腸ポリープによる腸重積に対して頻回の開腹手術を余儀なくされる症例が多い.DBEで穿孔なくポリープ切除を行うことができれば,とくに小児においては複数回の開腹や腸切除を回避できる点で非常に有用な手技と考えられるので報告する.

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