日本小児外科学会雑誌
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症例報告
出生前に指摘され出生後,急速に増大した胃奇形腫の1例
―本邦報告例73例の検討―
渡邉 高士瀧藤 克也三谷 泰之窪田 昭男山上 裕機
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2014 年 50 巻 7 号 p. 1123-1127

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抄録

症例は在胎38 週4 日,3,697 g で出生した男児.在胎36 週の胎児超音波検査にて左腹部に28 mmの腫瘤を指摘された.出生後CT で腫瘍内の石灰化を認め,また上部消化管造影とMRI の結果から胃原発の奇形腫と診断し,生後16 日目に摘出術を行った.出生前の腫瘍径は28 mm であったが,生後3 日目に40 mm,手術時には腫瘍径は78 mm と増大していた.胃奇形腫は出生前後で急速に増大することが報告されており,出生前に指摘された場合は,娩出時期や手術時期に注意を要する.また術後の再発症例も報告されており,その再発時期から最低2 年以上は腫瘍マーカーと画像的検索が必要であると思われる.

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