日本小児外科学会雑誌
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症例報告
副脾捻転の術前診断で摘出術を施行した消化管外アニサキス症の1例
白根 和樹増本 幸二千葉 史子佐々木 理人小野 健太郎神保 教広五藤 周瓜田 泰久新開 統子高安 肇
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2020 年 56 巻 4 号 p. 414-420

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抄録

症例は14歳男児.来院3か月前に左側腹部痛を自覚し,その後も症状が反復するため来院2週間前に前医を受診した.造影CT検査で脾臓近傍に10 mm大の腫瘤を認めたため副脾捻転が疑われ,当院紹介となった.造影MRI検査でも同様の診断で待機的に腹腔鏡下腫瘤摘出術の方針とした.術中に脾臓近傍の大網内に表面平滑な淡赤色の腫瘤を認め,腹腔鏡下に摘出した.内部が白色の充実性腫瘤で,病理学的には腫瘤の中心にアニサキス虫体を認め,消化管外アニサキス症と診断した.消化管外アニサキス症は初回感染時に虫体が消化管壁を貫通し,腹腔内で緩徐に肉芽腫を形成することで発症する.アニサキス症全体の0.5%とまれな疾患であり,術前診断は困難である.多くは無症状で経過し他疾患の術中に偶然発見されるが,一部は肉芽腫が原因となって腹痛を引き起こすこともあるため,注意が必要であると考えられた.

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