日本小児外科学会雑誌
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小児の肝悪性間葉腫の 1 症例
鮫島 夏樹田辺 達三清田 典宏中島 進池田 久実小室 勝利
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1970 年 6 巻 2 号 p. 167-171

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抄録

小児の腹部悪性腫瘍としては, ウイルムス腫瘍と神経芽細胞腫が一般的であり, 肝の原発性悪性腫瘍は稀である。しかしわが国では, 小児肝癌の報告例はこれらに次いで多く, 欧米に比して肝癌の頻度が高いことが注目される。肝の原発性悪性腫瘍の中では肝癌が最も多く, これに対し肝細胞性起源以外の間葉系の悪性腫瘍は極めて稀である。Stoutは1948年, 間葉系由来の悪性腫瘍の混合からなる腫瘍例8例を報告しmesenchymomaと名付けた。その後1961年, Stoutらは小児の悪性間葉腫42例を集め報告しているが, これらは大部分四肢など, 体表に近い軟部組織に発生したもので, 肝原発性のものは2例に過ぎない。わが国ではまだ報告例をみないが, われわれは最近, 本腫瘍の1例を経験したの報告でする。

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