気管支学
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迷入鎖骨骨折接合用 Kirschner 鋼線が気管を貫通した 1 症例
平良 修三浦 弘之内田 修岡田 真也加藤 治文
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1994 年 16 巻 1 号 p. 88-93

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抄録
迷入異物が気管を貫通した稀な1例を報告する。症例は28歳の男性で, 咳嗽, 血痰を主訴に来院した。胸部X線写真で上縦隔に気管を横断する金属針様陰影を認め, 既往歴から6ヵ月前に右鎖骨遠位端骨折骨接合術に用いたKirschner鋼線が上縦隔に迷入したと診断した。CT画像上鋼線は上部気管を右から左へ完全に貫通し, 内視鏡でそれを確認した。血気胸, 縦隔気腫, 皮下気腫の合併はなかった。手術法は局所麻酔下に前頸部を襟状切開, 気管切開は行わず貫通している第5気管軟骨左外側から外径2mm, 長さ5.5cmの迷入kirschner鋼線を摘出した。術後経過は順調で, 第12病日に退院した。
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© 1994 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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