気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
末梢型小型肺腺癌の CT 画像所見と確定診断に至る経緯の検討
安藤 真弘清家 正博吉村 明修弦間 昭彦渋谷 昌彦工藤 翔二渡 潤田島 廣之隈崎 達夫小泉 潔田中 茂夫持丸 博逸見 しのぶ福田 悠
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 21 巻 6 号 p. 381-386

詳細
抄録

末梢型小型肺腺癌のCT画像の特徴と, 発見から確定診断に至る経緯について検討した。1995年より, 当院にて手術が施行された長径15mm以下の肺癌14例を対象とした。男性4例, 女性10例, 平均年齢58歳。10例は検診発見(うち5例はCT検診), 3例が他疾患経過観察中, 1例が咳嗽精査中であった。2例は経気管支肺生検, 2例はCTガイド下肺生検で診断されたが, 10例は胸腔鏡下肺生検等の侵襲的検査を必要とした。診断までに要した期間は4.4ヵ月(1∿20ヵ月)であった。全例I期腺癌で, 治癒切除が行われ, 平均腫瘍径は12.4mmであった。病理学的には野口分類のtype Aが4例, Bが3例, Cが5例, Dが1例, Fが1例であった。CT画像上, 血管の関与が肺腺癌共通の特徴と思われ, 非癌性病変との鑑別の一助となることが示唆された。今後, 更なる症例の集積が必要と考えられる。

著者関連情報
© 1999 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top