抄録
小児、特に乳幼児における気道の検索は、気管支造影法とともに、硬性鏡による気管支鏡検査が主であった。近年、成人におけるflexible fiberscopeの開発がすすみ、乳幼児にも応用可能となりつつある。しかし使用経験の報告は少く、一般的な検査法となっていない。1972年、オリンパス光学の協力で、外径4mmの直視型多目的fiberscopeを作成し、これをbronchofiberscopeとして使用し、更に最近市販されたBF-3C3, 3C3R・BF-B3, B3Rを使用し、乳幼児の検査をおこなってきた。1973年より1980年までの7年間に45例61回の検査を施行している。年令は2ヵ月から15才までである。我々の経験より、flexible fiberscopeによる乳幼児の気道検査は、硬性鏡に劣らない有用な検査手段であり、今後、器種の改良・検査技術の向上にともない、一般的な検査法となると考える。