気管支学
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症例
大量胸水で発症し,局所麻酔下胸腔鏡が診断に有用であった骨髄肉腫の1例
池田 直哉小池 亮祐九嶋 祥友中村 祐介角田 卓也渡邉 泰治梅津 貴史近江 史人滝澤 秀典三好 祐顕武政 聡浩中里 宣正石井 芳樹
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2017 年 39 巻 3 号 p. 221-226

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抄録

背景.骨髄肉腫は,骨髄芽球や未分化な骨髄系細胞による髄外腫瘤で,まれな疾患である.縦隔に発生し胸水を呈した症例の報告はあるが,胸膜病変の報告はない.症例.26歳男性.1か月間持続する咳嗽と労作時呼吸困難感を主訴に来院した.左大量胸水と前縦隔腫瘍を認めたため,診断およびドレナージを目的として,局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した.壁側胸膜にびまん性の小結節および限局性の隆起性病変を認め,胸水細胞診と胸膜生検組織から骨髄肉腫と診断した.結論.骨髄肉腫の胸膜播種性病変を直接確認した報告は,本症例が最初である.局所麻酔下胸腔鏡は,病変を直視下生検することが可能であり診断に有用である.

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© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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