2017 年 39 巻 3 号 p. 268-272
背景.肺膿瘍破裂による有瘻性膿胸は稀な病態であり,手術療法を要する場合が少なくない.症例.48歳,男性.全身倦怠感と呼吸困難を主訴に来院され,肺膿瘍破裂による有瘻性膿胸の診断に至った.胸腔ドレナージにて全身状態の改善は認めたが,エアリークが遷延するため瘻孔閉鎖目的にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)及びフィブリン糊を併用した気管支充填術を行い,瘻孔閉鎖し,根治し得た.結論.EWSとフィブリン糊による気管支充填術は,肺膿瘍破裂に起因する有瘻性膿胸に対し,有効である可能性が示唆された.