気管支学
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原著
悪性リンパ腫診断における気管支鏡検査の有用性
田原 正浩前倉 俊也田宮 朗裕杉本 親寿新井 徹井上 義一
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2017 年 39 巻 6 号 p. 496-501

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抄録

背景.肺病変を有する悪性リンパ腫では,気管支鏡検査のみでは診断困難なことが多く,しばしば外科的肺生検などの侵襲を伴う検査を要する.今回我々は,当院における悪性リンパ腫診断における気管支鏡検査の有用性を明らかにするため,後方視的に症例検討を行った.対象と方法.2009年から2015年の7年間で,当院において悪性リンパ腫と病理組織診断した44例のうち,気管支鏡検査を施行した16例を検討した.結果.年齢は20歳から82歳(中央値70歳),男性5例,女性11例であった.最終診断はMALTリンパ腫が6例,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が8例,ホジキンリンパ腫が2例であった.気管支鏡検査時目的病変の胸部CTの主な所見としてはpulmonary mass(≧3 cm)が7例と最多で,次いでmass-like consolidationを5例認めた.確定診断法は経気管支生検9例,外科的肺生検5例,CTガイド下肺生検1例,縦隔鏡下リンパ節生検1例であった.気管支鏡検査時に直視下生検を行った症例が6例あり,そのうち5例で確定診断が可能であった.結論.悪性リンパ腫に対し気管支鏡検査を施行した16例のうち,9例が経気管支生検で診断可能であった.直視下生検例では悪性リンパ腫と診断できる可能性が高いことが示唆された.

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© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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