気管支学
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症例
EBUS-TBNAで診断し得た肺顆粒細胞腫の1例
後藤 広樹吉田 正道三木 寛登児玉 秀治藤原 篤司
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2025 年 47 巻 5 号 p. 439-443

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抄録

背景.顆粒細胞腫は全身の臓器に発生し得る稀な腫瘍で,気管・気管支・肺を原発とするものは6~8%とされる.既報では気管支鏡による直視下生検や外科的切除による診断例が主で,超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)による診断例の報告は少ない.症例.50歳女性.X年7月の検診で左肺門部に腫瘤を指摘され,当科を受診した.CTでは左S6に類円形腫瘤を認めた.原発性肺癌の可能性を考慮し,翌8月に気管支鏡検査を実施した.内腔観察上,左B6にスリット状の圧排性狭窄を認める一方で気管支内腔への腫瘍の露出はなかった.直視下生検での組織採取は困難と判断し,EBUS-TBNAで組織採取を試み,肺顆粒細胞腫の診断に至った.結語.EBUS-TBNAは肺顆粒細胞腫の診断において低侵襲かつ有用な検査となり得るため,診断手段のひとつとして積極的に考慮すべきである.

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