2010 年 36 巻 1 号 p. 123-126
伐採木の生チップ(未分解チップ)を利用する資源循環型緑化工の施工事例の植生追跡調査を実施した。調査場所は島根県および広島県内で,調査事例数は8事例である。施工後の経過年月は事例によって異なるが,最も古い事例で6年1ヶ月経過していた。生チップを利用した緑化工法は,初期生育が遅い,イネ科草本の生育が不良である,マメ科植物の生育が良好であるなど,生チップを利用する生育基盤特有の傾向が見られた。本報告では,これらの植生追跡調査結果を踏まえ,生チップを利用する資源循環型緑化工について考察する。