根木内歴史公園(千葉県松戸市)内の湿地植生を保全・管理していくために,住民参加による植生モニタリングを行った。毎月一回,咲いている花を区域ごとに記録していく“花ごよみ調査”と草刈りの効果を実験的に検証する“草刈り調査”の二つの調査を行い,ゾーンごとの植生の傾向と,草刈りによる効果について検討した。花ごよみ調査からは,各ゾーンに特異的に生育する在来種がそれぞれあること,全体的にはひとつのゾーンに依存した種構成の入れ子構造があることがわかった。草刈り調査からはオギには夏刈りの効果があるが,ヨシには効果がないこと,オオイヌタデなど草刈り時期によって大きな影響を受ける種があることが明らかとなった。