静岡県遠州灘海岸において,堆砂が海浜植生の成立に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,植生と堆砂の経年変化を調査した。対象地の植生はTWINSPANによって3つの群落型に分類され,汀線から内陸に向かって,帯状に植生が変化した。DCAの序列化を行ったところ,1軸で各群落型は明瞭に分かれてプロットされた。また,1軸のスコアと堆砂深の間には,強い相関関係が認められた。このことから,各群落型の分布には,堆砂が影響していると考えられた。一方,群落型の経年変化を考慮に入れて解析したところ,各群落型の分布は,堆砂だけではなく,波浪や種子の供給など他の要因の影響を受けていると考えられた。