宝が池公園の森林では,既にナンキンハゼが侵入し,伐採活動が始まっているが,防除活動は計画的に進める必要があるためナンキンハゼの現況を調査した。森林内だけではなく周辺街区も含めナンキンハゼの分布と結実を調査し,森林で 2,771個体うち結実1個体,周辺街区で66個体うち結実41個体のナンキンハゼを確認した。種子生産の可能性が高い個体の密度から,防除する優先度が高い場所を抽出することができた。ナンキンハゼの分布確率を最も高めるのは結実個体からの距離であり,谷でギャップが形成されている場所が侵入適地だと考えられた。シナリオ分析により,伐採すると森林内の分布確率を下げられる個体を特定することができた。