土壌の水分条件を人工的に調整しながら, アカマッ (Pinus densiflora), アラカシ (Quercus glauca), ケヤキ (Zelkove serrata), と中国の乾燥地帯原産の檸条 (Caragan korshinskii), 花棒 (Hedysarum scoparium) の苗本を, 3年間生育させることで, その間の葉の生産量や展開と落葉の時期, さらに形態などに対する水ストレスの影響を調べた。アカマツは強い水ストレスを受けると葉重は減少したが, 葉長は長く, 湿潤条件が葉の伸長を抑制した。アラカシの場合は葉数, 葉長, 葉重のどれをとっても上壌の水分条件との問に一定の関係は認められず, 水ストレスは葉の量や形態にほとんど全く影響を与えなかった。さらに気孔密度も影響を受けなかった。ケヤキでは乾燥した処理区ほど生産される葉の量が少なくなると共に, 1枚の葉は軽くなり, 形も小形になった。一方, 気孔密度は増加した。乾燥地に生育する檸条の気孔は葉の両面にあり, 水ストレスを受けた処理区ほど気孔密度が高くなった。アラカシ, 檸条, 花棒では水ストレスが落葉の時期や, 新葉の展開期間に影響を与えたが, ケヤキはほとんど影響を受けなかった。