日本緑化工学会誌
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都市近郊林の林床管理の有無による植生と環境の特徴
その1上層木の生育および林床植生の特徴
細木 大輔久野 春子新井 一司深田 健二
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2001 年 27 巻 1 号 p. 14-19

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抄録

本研究では都市近郊の雑木林のもつ植物の生育場所としての機能に着目し, 林床管理の有無によって生じた上層木の生育状態の違いおよび, 林床植生の種組成と各種の優占度合の違いについて調べた。その結果から, (1) 林床管理の有無によって林内の樹木の生育個体数に違いが生じて, 葉面積指数にも違いが生じること.(2) 林床植生は, 林床管理が行われなくなると多年生草本の出現種数と被度が減少して, 木本の出現種数と被度が増加し, 放棄が長年に渡った場合には全出現種数と被度が減少すること.などが明らかとなった。都市近郊林は, 林床管理として冬場の下刈りと落葉掻きが毎年なされることで, 林床に多様な植物種が生育できる環境が整えられることが示唆された。

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